概要
国土交通白書は、国土交通省の施策全般に関する年次報告として毎年公表しています。本年は国土交通省が発足して20年目の節目を迎えることなどから、今回の国土交通白書では、「社会と暮らしのデザイン改革」をテーマに、発足からこれまでの環境変化と、それに対する取組を振り返るとともに、将来予測や国民意識調査結果を踏まえ、今後、国土交通行政が向き合うべき課題と方向性を展望しています。
○ 本白書において、既往の調査や国民意識調査を整理・分析したところ、
・土砂災害の発生回数は、1990~2009年の約1,000件/年から、2010年以降は約1,500件/年と1.5倍に増加、2018年は過去最多の3,459件
・2076~2095年には、1980~1999年と比べ、年平均気温最大4.5℃上昇、1日降水量200mm以上の年間日数2倍以上
・南海トラフ地震や首都直下地震が30年以内に70%程度の確率で発生
・地方圏の約9割のバス事業者が赤字など、地方公共交通の衰退が懸念
・2050年には、人口1万人未満の市区町村で人口が半減(2015年との比較)
等が分かったことから、「激甚・頻発化する災害への対策」、「地域の移動手段の確保」等を、今後、国土交通行政が向き合うべき課題として取り上げました。
○ これらの課題に対する取組の方向性として、
・災害対策については、国民目線でわかりやすい、抜本的・総合的な対策や、分野横断的に、平時から非常時、復旧・復興時まで、行政・企業・住民が連携し対応することで、「防災・減災が主流となる社会」の実現を目指す
・地域の移動手段については、上下分離方式、他の事業者との合併・共同経営、自家用有償旅客運送への転換や、まちづくりと一体となった効率的な交通ネットワーク形成により、将来も地域の移動ニーズに応えられる持続可能な交通サービスを確保する等を展望しています。
○ さらに、現下の課題である新型コロナウイルス感染症に関して、白書の最初に特集として取り上げ、これまでの経緯や取組、国土交通分野への影響とこれへの対策を紹介するとともに、今後の対応を掲載しております。